成功回避欲求と敗者の脚本
借り物ですが、穂村弘の「手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)」と、穂村弘・東直子の「回転ドアは、順番に」を読みました。前者は、タカノ綾というイラストレーターさんの挿絵が入った歌集。イラストの雰囲気に合った不思議な短歌が多く、ふあふあした心地になります。現実感のない歌なのに、共感できることやハッとするようなフレーズがところどころにあって、深い。後者は、穂村さんと東さんの往復書簡(メール)でのやりとりを、物語調にまとめたものです。陳腐な小説にありがちな架空の恋愛ストーリーも、短歌にすると結構ドラマティック。短歌の間あいだに、情景を散文として挟んでいるので話も追いやすいです。
「手紙魔まみ~」と「回転ドアは、~」に共通して思ったのは、短歌はふつうの人のふつうの日常に潜むふつうの光景を切り取ることなんだってこと。しかもどきっとする言い回しで。私にはそれが足りないようです。
「手紙魔まみ~」と「回転ドアは、~」に共通して思ったのは、短歌はふつうの人のふつうの日常に潜むふつうの光景を切り取ることなんだってこと。しかもどきっとする言い回しで。私にはそれが足りないようです。
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