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未練 波打って

「危険なプロット(原題:Dans la maison)」を観ました。フランス映画です。昨春に「愛、アムール」を観てからというもの、すっかりフランス映画の虜になってしまいました。ストーリーは、国語教師と男子生徒による作文をめぐる奇妙な関係を主体としながら、現実と空想が複雑に入り交じりつつ展開されていきます。公式サイトによれば“知的サスペンス”らしいですが、ジャンル分けの難しい映画だと思います。とにかく、始終ハラハラさせられました。他人の生活を盗み見ているのがばれて咎められたらどうしようという緊張と、自らの生活が破綻していくのをじわじわと迎える緊張。全編を通してシリアスな雰囲気なんだけれど、たまにクスッと笑える要素もあってよかったです。

それにしても、クロード役のエルンスト・ウンハウアーが凄まじい色気を放っていて衝撃でした。ときどき口の端だけでニコリともニヤリともつかない笑顔を作るのも妖艶で、どこか危うさのある神秘性を持っています。終盤のシーンで、ベッドに横たわって女性の隣で微笑む顔もすごかった。一見の価値ありです。
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