いちばん正しいあたしは何処?
山口果林の「安部公房とわたし」を読了。図書館から借りてあるのを見つけ気になって読み始めたら、フィクションとノンフィクションの狭間のような面白さで、次の日には読み終えていました。内容はもちろん、告白本であるとおりノンフィクションですが私のなかでの“安部公房”という作家は、教科書にも載る有名作家というもはや歴史上の人物とも言える存在なので、人間らしく生きている様子の描かれた本書はある意味でフィクションのようでもあります。以前も書いたように、恋人がいちばん好きな作家として安部公房を挙げているため、この本の存在は発売された時期に話題として耳にしていました。そのとき想像していたより何倍も面白かった。読了後にはなぜか切なくなって、ひたすら涙をこぼしてしまうほどでした。安部公房の娘である安部ねり著「安部公房伝」も気になりますが、こっちを読んでしまったあとでは感情が邪魔をしてなんとなく読みづらそうです。
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