狭い水槽の中を真四角に泳いだ
森博嗣の「喜嶋先生の静かな世界」を読み終えました。旅行先で案外暇を持て余すときがあったため、それ用にと購入したものです。この本を選んだのは正解でした。自伝的小説ということからまるで現実と虚のあいだをさまようような話で、私としては信じたい部分とそうでない部分とがそれぞれあります。しかし、この本のすべてをフィクションだと受け取ったとしても、なにか一つだけ真実だったとしても、なかなかドラマティックなストーリーです。
主に語られるのは、某国立大学の理工学部に在籍する主人公が卒業論文に取り掛かる頃から修士課程を修める頃までで、そこで出会い影響を受けることになる喜嶋先生や、その他の人々との思い出の日々です。主人公を取り巻く人間関係も、当時のその分野における科学技術についての描写も読んでいて面白い。私自身が国立大学の理工学部における研究などという高度な学問とは無縁であるが故に、とくにこれらに関する記述が大変興味深く感ぜられました。天才という部類に入るだろう主人公のちょっとした思考や行動すら、凡人の私に驚きを与えてくれます。学歴や才能にただならぬコンプレックスを抱える私は、こういった本を読むことでなんとか天才と呼ばれる人々との違いを知ろうとする。あこがれと同時に、自分自身への遣る瀬無さをつよく感じます。
主に語られるのは、某国立大学の理工学部に在籍する主人公が卒業論文に取り掛かる頃から修士課程を修める頃までで、そこで出会い影響を受けることになる喜嶋先生や、その他の人々との思い出の日々です。主人公を取り巻く人間関係も、当時のその分野における科学技術についての描写も読んでいて面白い。私自身が国立大学の理工学部における研究などという高度な学問とは無縁であるが故に、とくにこれらに関する記述が大変興味深く感ぜられました。天才という部類に入るだろう主人公のちょっとした思考や行動すら、凡人の私に驚きを与えてくれます。学歴や才能にただならぬコンプレックスを抱える私は、こういった本を読むことでなんとか天才と呼ばれる人々との違いを知ろうとする。あこがれと同時に、自分自身への遣る瀬無さをつよく感じます。
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