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さっぱり考えてみて

J・D・サリンジャーの「九つの物語」(集英社文庫、中川敏訳)を読み終えました。サリンジャーはこれが初めてです。4月に読んだ森博嗣の「スカイ・クロラ」にて、プロローグの前と各章のはじめに野崎孝訳の「ナイン・ストーリーズ」の印象的な場面が使われていました。これを今回の読書のきっかけとするならばやはり野崎孝訳のものを読むべきでしたが、恋人の本棚にあったのは中川敏訳でした。しかし同じ文章を読むかぎり大きな違いはないようなので、最後までとくに気にしませんでした。

九つの短編すべてが陽気な難解さを持っていて、読み進めるのに苦労しました。原語で読めばもっと面白いに違いありません。これらのなかでも読み進めやすく内容も好きなのは「笑い男」と「エズメのために――愛を惨めさをこめて」、そして「テディー」です。
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