美しい予感
「かきのたね」に6首追加しました。twitterでは季節に即したものを詠みがちです。もちろん悪いことではなく、即興的な詩作の意味合いも含めて良いことだと思います。しかしながら、目標を持って取り組みたいというのが最近の展望です。ごく近いものとしては、どこかへ投稿して良いも悪いも評を得たい。気負ってしまってうまく詠めなくとも、それは実力のうちです。
思わしくない体調でもって日々を過ごしております。季節の変わり目は、私にとって豊かな表情を見せつつも厳しい。映画を観たいです。今週末にはほんとうに久しぶりに他県へ外出します。来月には資格試験が控えており、いまはその勉強に励んでいるところです。
毎朝通りがかる花屋の店先では、トルコキキョウが見事な花弁をゆらしています。
どうか世界がほろばぬように
ちくま日本文学全集の尾崎翠の巻を読み終えました。後半の「花束」および「初恋」では不思議と胸を焦がし、「無風帯から」では手紙調の語り口でもってストーリーに引き込まれました。作品によってさまざまな顔を見せる尾崎氏の、どれか一つでも気に入ることができれば、この本をすべて読む価値があると思います。
そして今は、伊藤計劃の「メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット」を読み始まったところです。これは実家に立ち寄った折、弟の部屋の本棚にあるのを見かけたのを勝手に拝借いたしました。ずっと読みたかったので嬉々としております。
目にはさやかに見えないけれど、もう秋がきたのですね。
真珠じゃないのよ
この頃はもっぱら尾崎翠を愛読しております。私が読んでいるのは、ちくま日本文学全集の第4巻にあたるもので、そこでは「透明なエロティシズムで読者を誘惑する」とのあおり文がつけられていました。尾崎翠という名前は存じ上げていたものの、この巻末にある略歴を見るまでずっと男性作家だと思い込んでいた私がこれを読むに至ったのはなんとも不思議な話ではありますが、いざ読み始まればすっかり氏の虜になっておりました。
氏の作品はいわゆる短編小説からなるので大変に読みすすめやすく、また瑞々しくも斬新な語り口が癖になるものばかりです。「こおろぎ嬢」から「第七官界彷徨」へ連なる登場人物たちの行方もおもしろい試みであり、「新嫉妬価値」などにおける浮遊感あるストーリーも実験的でよい。全書の半分ほどしか読み終えておりませんので、このあとに待つ作品がとにかく楽しみです。
禁断の果実かじって
今日はネイルサロンへ行ってきました。ささやかな贅沢です。
処でこんな情景をどう思われますか?
「言えないコトバ」は、この作者の、映画化もされた4コマを読みたいと常日頃から思っていたのですが、まずは手軽なところからとこちらの作品を購入した次第です。作者の温厚でやわらかい人柄が表れたエッセイと、そのエッセイに関係あったりなかったりする内容のマンガやイラストが、見開きごとに交互になっているため、ほっこりした気持ちになる上にテンポよく読み進めることができます。やんわりとした作者の意見を受けて、普段の自分はどうだろうと考えさせられる内容になっており、読みやすいのでオススメです。
「姉の結婚」は、おもに結婚やお金にまつわる短篇集です。私もそろそろ他人事で済まないような年齢ですのでそういった意味では自分を見ているような、それでいてやっぱり赤の他人の生活を覗いているようなヘンな気持ちにさせられますが、それがすごく面白い。登場人物それぞれに共感してしまうほど身近に感じた話ばかりなので、これらが20年以上も前の作品とは思えません。日常を切り取ったような話ばかりなのに、古くささを感じさせないのってすごいです。この作者の他の作品にも興味がわきました。