意気地なしの床屋め
穂村弘の「ラインマーカーズ The Best of Homura Hiroshi」を読みました。ラインマーカーで描かれた表紙が鮮やかな一冊です。大好きな歌もまだ知らない歌もたくさん収録されていて、うれしい。歌集というものは、そこに収録されたすべての歌が私だけに特別な顔を見せているような秘密性と、それぞれの章にものがたり的な空間の広がりを感じられるから好きです。それにしても、とてもやさしい顔をしているのに穂村氏が詠む恋の歌はこんなにも野性味あふれているから、その像の乖離にいつもどきどきします。
このブログは読書記録としてなんとか更新しておりますが、サイトもtwitterも、忙しさに感けてうまく機能させることができていません。いまの勉強が一段落ついたら行動したいと思います。
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最高の夏に背を向けないで
来月の初めに京都と大阪へ行きます。京都を離れてから初めて訪れることになるので、じつに6年ぶりでしょうか。目的としては、椎名林檎さんの「ちょっとしたレコ発2014~大阪港へ逆輸入~」というライブへ行くことです。ライブも、旅行も、今からたのしみで胸が高鳴ります。
しかし、恋人とふたりで向かう予定ですが、ふたりともそれぞれ京都に住んでいたことがあるために旅行と言ってもどこへ行ったらよいものか困っています。恋人はいわゆる観光名所に興味がない上、私も有名なところは修学旅行を含め3~4回は訪れているので、今さら行かなくてもよいかなという感じ。祇園や四条河原町の近辺をぶらぶらすることになりそうです。私より京都在住歴の長かった恋人にまかせておけば、移動などは問題ないでしょう。彼にとっては15年ぶりの京都です。
しかし、恋人とふたりで向かう予定ですが、ふたりともそれぞれ京都に住んでいたことがあるために旅行と言ってもどこへ行ったらよいものか困っています。恋人はいわゆる観光名所に興味がない上、私も有名なところは修学旅行を含め3~4回は訪れているので、今さら行かなくてもよいかなという感じ。祇園や四条河原町の近辺をぶらぶらすることになりそうです。私より京都在住歴の長かった恋人にまかせておけば、移動などは問題ないでしょう。彼にとっては15年ぶりの京都です。
完璧な心の平和
好きな歌集は、雪舟えまの「たんぽるぽる」と穂村弘の「手紙魔まみ、夏の引っ越し(ウサギ連れ)」です。ここ1年以内は、たぶんこれらが根底にあって短歌を詠んでいるんだと思います。雪舟えま氏よりも上手に詠める方はたくさんいらっしゃるし、穂村弘氏もこの歌集以外にもすばらしい歌はたくさんあるけど、私にはやっぱりこの2つの歌集が単純に心地よい。なかでも好きな歌は「愛が趣味になったら愛は死ぬね…テーブル拭いてテーブルで寝る/たんぽるぽる」と「おやすみ、ほむほむ。LOVE(いままみの中にあるそういう優しいちからの全て)。/手紙魔まみ、~」。それぞれの歌集のすべての歌が好きなので本当は選べないのですが、がんばって選ぶとするとこの2首です。溜め息が出るほどすばらしい。雪舟えま氏の短歌は、自由律短歌とでもいうようなおおらかで素直なひびきが好きです。「手紙魔まみ、~」もやっぱり、まみ(雪舟えま氏)の持つパワーが穂村弘氏を通して感じられます。好きという以外に言葉がありません。
満ち足りただけさ
森博嗣の「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」と小川洋子の「ミーナの行進」を読み終えました。どちらも弟の部屋から拝借したものです。「スカイ・クロラ」は、先日読んだ「私的詩的ジャック」よりも好きかもしれません。あちらの推理小説シリーズは今思えばライトノベルのようで騒がしさがありましたが、こちらはすこしゆったりとした雰囲気です。戦闘機の描写が繊細でよかった。押井守監督の映画も観てみたくなりました。「ミーナの行進」は、ほっこりと心温まる家族の物語という趣きでまあまあ面白かったです。ところどころに入る挿絵の絵柄も、この物語に合っているようでかわいらしい。私も、このような幸福を享受したいです。
君が溶けていくよ静寂に
4月14日、集英社文庫の「谷崎潤一郎マゾヒズム小説集」を読了。以前も書きましたが、大好きな中村佑介氏のイラストが表紙を飾っており、それにつられて購入したものです。短編集であり、ひとつ目の「少年」だけは買ってしばらくしたのちに読んだらしい。どれも興味深い作品ばかりですがとりわけ「麒麟」と「魔術師」が好みでした。「麒麟」のような古代中国を題にとった作品は私にはなじみが薄く、それがかえって面白い。しばらくこういった話ばかり読みたいけれどそう都合よくあるのでしょうか。探そうにもその方法がわかりません。巻末にある、みうらじゅん氏の鑑賞もよかったです。